僕は、君が好きです。

次の日の朝…

私は、駅のホームで泰詩を待った。

12月の朝は寒くてホームのベンチに座って

かじかんで赤くなった手を

自分の息で温めてポケットに入れる。

2本目の電車を見送った所で泰詩が

ホームの階段を下りてくるのが見えた。

泰詩は紺色のダッフルコートに

グレーのマフラーを首に巻いていた。

寒そうに高い身長を少し前に屈めながら

歩いている。

見慣れたはずの泰詩の姿を

私の頭に、胸に、ずっと忘れないように

焼きつけてようとしてじっと見つめていた。

次の瞬間、私と目が合った。

その一瞬…

泰詩の顔が少し驚いた表情になったけれど

すぐに目を反らされた。

泰詩はゆっくりと私の前を通り過ぎ

少し離れた場所に立つと電車がホームに

入って来るのを待っていた。

しばらくしてホームに電車が入ってきて

扉が開くと、泰詩は迷わず乗り込んで

扉の前に立っていた。

プルルルルル…

ドアが閉まる合図…

その合図に突き動かされるように

泰詩のいる車両に飛び乗った。

プシュー

私が乗るのと同時に電車のドアが閉まった。