僕は、君が好きです。

そう返事をしたのとは裏腹に

俺は少しこの雪が積もればいいな…

なんて少し子供みたいな事を考えていた。

「あのさ、雪の匂いってわかる?」

「え?雪の匂い?何それ…」

岸田さんは不思議そうな顔をしている。

「…」

「…」

俺の様子を、岸田さんは

少し困ったような顔で

「そっかぁ、でもわかるかも…っ。」

そう言って合わせてくれた。

だから俺は、こんな事を言ったのが

少し恥ずかしくなって

「あ…ごめん、違う…冗談。」

そう言って笑いながらごまかした。

「冗談…?なんだぁ…!」

岸田さんが少しホッとしていたのが

何となくわかった。

「あのさぁ…

真凛と何かあった?」

「え…?」

「学園祭から真凛の様子が変なんだ…

岸田さんと仲良いから

何か知ってるのかなって…。」

「え…うん、ちょっとケンカしちゃって

気まずくて…話をしてないんだ。

それに真凛…

最近、渋谷くんと一緒にいるから…。」

「そっか…。」

それだけ…?

ちょっとしたケンカって何?

渋谷と一緒にいるのは、やっぱり

付き合ってるから…とか?

なら…

真凛が俺を避ける理由は何だろう…。

「あのさ…俺がこんな事言うのも

変かもしれないけど…

真凛は岸田さんの事

本当に大事な友達って思ってて

大切なんだ。

だから…もし真凛が何かしたとしても

絶対悪気とかなかったと思うから

許してやってほしい。

お願いします…。」

俺が頭を下げると、岸田さんは

少し驚いたような顔で俺を見た。

その時…

「━次は○○駅~」

車内にアナウンスが響いた。