僕は、君が好きです。

「あ…佐伯くん…。」

私が振り返ると佐伯くんが

人混みを掻き分けて近づいてくる。

佐伯くんがいるって事は…。

「おい、泰詩!こっち!」

そう言って佐伯くんが手招きしている。

泰詩が私を見つけて、少し驚いたような

表情をしていた。

「次は○○駅…」

電車が止まりドアが開くと

かなりの人が下りて車内が空く。

それと同時に泰詩と絵莉ちゃんが

近づいてきた。

やっぱり…最悪…だっ。

絵莉ちゃんは気まずそうに下を向いて

私から顔を反らしていた。

「真凛…お前さぁ、どこにいたの?」

泰詩の少し不機嫌な声が私の頭の上で

響いてくる。

「え?あ…うん、ちょっと…。」

私の歯切れの悪い返事に泰詩の顔は

ますます不機嫌になっていく。

「なんだよ、それ…。」

私と泰詩の会話に

絵莉ちゃんも渋谷くんも黙っている。

「まぁまぁ、泰詩…怒んなって!」

佐伯くんが泰詩をなだめるように

ポンっと、肩を触った。

私はそれっきり何も言えずに下を向いた。

「お前なぁ…」