僕は、君が好きです。

渋谷くんはずっと走り回った様で

本当に苦しそうだった。

私はそんな渋谷くんの気持ちが

痛かった。

「ごめんなさい…。」

「うん…大丈夫…。」

「違う…そうじゃなくて…

渋谷くん私ね…

渋谷くんに守ってもらえない。」

「え…」

「…これ以上渋谷くんの優しさに

甘えられないから…

…だからごめんなさい。

でも泰詩には本当に言わないで…。

ダメかな…?」

私は渋谷くんの顔を見上げた。

辺りが薄暗いせいか

渋谷くんの顔がよく見えずに沈黙だけが

私達を包んでいた。

ヒュー…ドーン!

ちょうどその時…

花火が上がり周りがその光に照らされて

渋谷くんの顔がよく見えた。

渋谷くんは私を見て優しく笑っていた。

でもその微笑みが、まるで…

泣いてるように悲しい微笑みに見えた。

「渋谷くん…?」

「言わないよ。

市ノ瀬が嫌なら言わない。

俺はただ心配なだけだから…。

それ以上は何もないから…

もし今…仲原に頼れないなら

俺が力になりたい…だから

市ノ瀬の本当の気持ち隠さないで

俺には話してよ…。

友達としてだから…。」

「…でも」

さっきの微笑んだ渋谷くんの顔…

昔の泰詩と同じ顔してたんだよ…。

「やっぱり…」

"私はもう渋谷くんに甘えられない"

私がそう言いかけると…

「友達としてだから…本当にそれだけ。」

もう辺りは暗くて

渋谷くんの表情はわからなかった。

けど…その声は

とても切なく聞こえた。