ガラッ
私が準備室に入るとさっきの女子達が
一斉に私を見た。
「あの…何?
私、今から模擬店の当番で…。」
私がそう言うと…
さっきからずっと顔を手で覆って
下を向いている絵莉ちゃんの隣にいた
女子が話し出した。
「ねぇ…
市ノ瀬さんに聞きたい事があるの…。
この前…学祭の準備してた時
準備室で仲原くんと
一緒にいたって、本当なの?」
「えっ…準備室…?」
泰詩とのやり取りが頭の中に蘇ってくる。
「何で…?」
私はそう返すのがやっとだった。
「隣のクラスの女子が…
市ノ瀬さんと仲原くんが一緒にいたって
言ってたの。
しかも手を握ってたって…
それって…本当?」
見られてた…っ。
何て言ったら…いいんだろう。
私が答えるのをためらっていると
「黙ってるって事は本当なんだ…?
ねえ…酷くない?
絵莉が仲原くん好きなの知ってるよね?」
「…うん…」
「知ってて…そういう事できるんだ?
今日だってさぁ、
仲原くんと途中で抜けてたよね?」
「そっ、それは…チラシを配ってて…。」
「私はそんな事言ってるんじゃないの!
二人でいる事がどうなのって
言ってるんだけどっ?
それくらいわからないの?」
「ごめんなさい…。」
「本当に思ってんの?」
「うん…」
「ねぇ、友達じゃないの?
これって裏切りだよね?」
彼女は私を非難しながら
鋭い視線を送ってきた。
私はその視線に耐えられずに下を向いた。
そしてわずかに震えている自分に
気づいた。
「黙ってないで何か言ったら?」
皆が私を睨んでいる…。
「黙ってれば終わると思ってるの?
…絶対に許さないから。」
「あ…あの…私は」
やっとの事で声を絞り出しながら
"泰詩とは、ただの友達"と
そう言うとした時…
私の肩が強く押された。
その弾みで、よろけて準備室に
立て掛けてあった看板に
背中をぶつけて転んでしまった。
ドサッ…
「痛っ…」
私は床で膝を擦りむいてしまった。
「え?何?
ちょっと押しただけなんだけど?
何でそんなんで転ぶわけ?
さすが!ぶりっ子は
か弱いフリするのが上手だね~!」
「本当…っ!
上手いんだからぁ!」
「アハハ!ウケる!」
女子が一斉に笑って
色々な言葉を私に浴びせてくる。
誰かに…こんな風に敵意むき出しに
向かってこられたのは初めてだった。
コワイ…。
心臓がドキドキと早鐘を打っていた。
手と足も震えている。
「ねえ、何か落ちてない?」
誰かが私の足の近くにあった紙を拾った。
「何これっ?花?」
そう言って上にかざして見ていた。
あっ!私のっ…!
「返して!それ、私のだから…!」
私がそう言って立ち上がって
女子に走り寄った瞬間
その紙は窓から投げ捨てられた。
「やめてっっ!!」
私の声が教室に響くがもう、その紙は
ヒラヒラと落ちていった。
「何なの?急に元気なんですけどっ…!」
「あんな物くらいで…本当ウザイ!」
「自分がした事を棚にあげてね~!」
私は床に崩れ落ちて座り込む。
違う…あれは、あれは私の宝物だった。
泰詩が私にくれた大切な物…。
もう二度と…もらえない大切な物。
"勿忘草"の指輪…。
大切な物だった。
だから…
押し花にして大切にしてた…。
「それくらいにしたら?」
私の頭の後ろの方で男の人の低い声がした。
それと同時に私の腕をそっと掴む手。
振り向くと、そこには冷たい目で
女子を睨み付ける渋谷くんがいた。
「あ…渋谷くん…何で?」
私がそう言うと渋谷くんは少し口元を緩め
いつもの優しい表情で私を見下ろした。
「ちょっと探し物…。」
そう言うと窓際の端にあった
フェイスタオルを首にかけた。
「…渋谷には関係ないでしょっ?」
一人の女子が言うと皆一斉に話し出す。
「そうだよ…っ
用がすんだら出て行ってよ!」
「大切な話をしてんだから!」
「…ってか渋谷さぁ、市ノ瀬さんの事
まだ好きだったりして~っ!」
「えーっ、そうなの?」
私が準備室に入るとさっきの女子達が
一斉に私を見た。
「あの…何?
私、今から模擬店の当番で…。」
私がそう言うと…
さっきからずっと顔を手で覆って
下を向いている絵莉ちゃんの隣にいた
女子が話し出した。
「ねぇ…
市ノ瀬さんに聞きたい事があるの…。
この前…学祭の準備してた時
準備室で仲原くんと
一緒にいたって、本当なの?」
「えっ…準備室…?」
泰詩とのやり取りが頭の中に蘇ってくる。
「何で…?」
私はそう返すのがやっとだった。
「隣のクラスの女子が…
市ノ瀬さんと仲原くんが一緒にいたって
言ってたの。
しかも手を握ってたって…
それって…本当?」
見られてた…っ。
何て言ったら…いいんだろう。
私が答えるのをためらっていると
「黙ってるって事は本当なんだ…?
ねえ…酷くない?
絵莉が仲原くん好きなの知ってるよね?」
「…うん…」
「知ってて…そういう事できるんだ?
今日だってさぁ、
仲原くんと途中で抜けてたよね?」
「そっ、それは…チラシを配ってて…。」
「私はそんな事言ってるんじゃないの!
二人でいる事がどうなのって
言ってるんだけどっ?
それくらいわからないの?」
「ごめんなさい…。」
「本当に思ってんの?」
「うん…」
「ねぇ、友達じゃないの?
これって裏切りだよね?」
彼女は私を非難しながら
鋭い視線を送ってきた。
私はその視線に耐えられずに下を向いた。
そしてわずかに震えている自分に
気づいた。
「黙ってないで何か言ったら?」
皆が私を睨んでいる…。
「黙ってれば終わると思ってるの?
…絶対に許さないから。」
「あ…あの…私は」
やっとの事で声を絞り出しながら
"泰詩とは、ただの友達"と
そう言うとした時…
私の肩が強く押された。
その弾みで、よろけて準備室に
立て掛けてあった看板に
背中をぶつけて転んでしまった。
ドサッ…
「痛っ…」
私は床で膝を擦りむいてしまった。
「え?何?
ちょっと押しただけなんだけど?
何でそんなんで転ぶわけ?
さすが!ぶりっ子は
か弱いフリするのが上手だね~!」
「本当…っ!
上手いんだからぁ!」
「アハハ!ウケる!」
女子が一斉に笑って
色々な言葉を私に浴びせてくる。
誰かに…こんな風に敵意むき出しに
向かってこられたのは初めてだった。
コワイ…。
心臓がドキドキと早鐘を打っていた。
手と足も震えている。
「ねえ、何か落ちてない?」
誰かが私の足の近くにあった紙を拾った。
「何これっ?花?」
そう言って上にかざして見ていた。
あっ!私のっ…!
「返して!それ、私のだから…!」
私がそう言って立ち上がって
女子に走り寄った瞬間
その紙は窓から投げ捨てられた。
「やめてっっ!!」
私の声が教室に響くがもう、その紙は
ヒラヒラと落ちていった。
「何なの?急に元気なんですけどっ…!」
「あんな物くらいで…本当ウザイ!」
「自分がした事を棚にあげてね~!」
私は床に崩れ落ちて座り込む。
違う…あれは、あれは私の宝物だった。
泰詩が私にくれた大切な物…。
もう二度と…もらえない大切な物。
"勿忘草"の指輪…。
大切な物だった。
だから…
押し花にして大切にしてた…。
「それくらいにしたら?」
私の頭の後ろの方で男の人の低い声がした。
それと同時に私の腕をそっと掴む手。
振り向くと、そこには冷たい目で
女子を睨み付ける渋谷くんがいた。
「あ…渋谷くん…何で?」
私がそう言うと渋谷くんは少し口元を緩め
いつもの優しい表情で私を見下ろした。
「ちょっと探し物…。」
そう言うと窓際の端にあった
フェイスタオルを首にかけた。
「…渋谷には関係ないでしょっ?」
一人の女子が言うと皆一斉に話し出す。
「そうだよ…っ
用がすんだら出て行ってよ!」
「大切な話をしてんだから!」
「…ってか渋谷さぁ、市ノ瀬さんの事
まだ好きだったりして~っ!」
「えーっ、そうなの?」


