僕は、君が好きです。

私達が教室の模擬店に戻ると

佐伯くんが手を振って廊下に走ってきた。

「お疲れ~!真凛ちゃん、ありがとねー!

なぁ~泰詩っ!

チラシ効果でお客が沢山来たぞ~!

さすがっ~!!

イケメンの宣伝は効果絶大っ!」

そう言って泰詩の肩をつかんで

嬉しそうに笑っている。

「あっそう…

俺は、お陰でかなり疲れた…。」

「まぁまぁ、真凛ちゃんと一緒に

遊べたんだからいいじゃんっ!」

「あっ…佐伯くん、ありがとう…。」

「ほらっ!

真凛ちゃんもありがとうって!」

「はいはい…

真凛は、騙せてよかったなっ…。」

「ひでーっっ!」

「ちょっと…泰詩っ…。」

私が泰詩を見ると呆れた顔で

佐伯くんを見ている。

「隆司さぁ、あのチラシ…

何枚あったと思ってるんだよ?

100枚くらいあったんだぞ?!

真凛もかなり配ったんだかな。」

泰詩は佐伯くんを少し睨んで

ため息をついた。

「まぁまぁ、そう言うなってっ…。」

佐伯くんはそんな泰詩を尻目に

お構い無しに笑って話し続ける。

「じゃあ、俺は休憩だから

後は泰詩よろしくねっ!」

「は??」

「次は渋谷達が、入るからさっ!」

「俺の休憩は?」

「ないないっ!

イケメン店員いなかったんだから

その分働け~。」

「…りゅうじぃぃぃぃ~ってめぇ…。」

泰詩が振り返ると佐伯くんはさっさと

教室に入っていってしまった。

「あいつ…マジかよ?」

泰詩がまた、ため息をつく。

「あ…泰詩…あのさ

私もちゃんと手伝うからさっ…。」

やっぱり泰詩に迷惑かけちゃったんだ…。

「泰詩…ごめん…」

泰詩のため息に不安になって

泰詩の顔を見上げた。

すると泰詩は私の方をみて

フッと少し目を細めて笑った。

クシャッ

泰詩が私の髪を優しく撫でる。

ドキン…

「えっ…。」

「ばーかっ…

何でお前が、謝るんだよ?」

そう言って教室に入っていった。

泰詩の言葉とは反対にその優しい瞳が

私の髪を撫でた手が…

より一層、私をドキドキさせた。