僕は、君が好きです。

泣いてしまいそうなのを必死に

下を向いて隠した。

これ以上、泰詩に心配かけたくない。

それに…

泣いたらもったいないよ…。

だって私は今まで泰詩の隣で

こんなにもずっとずっと…

幸せだったんだから。

好きって…

その人の事を想うと胸が苦しくなって

切なくて…涙が出てくるんだ。

でも…ふとした瞬間に

温かくて嬉しくて胸が弾むんだよ。

それが"恋"なんだ。

私…ずっと恋をしていたんだ。

いつの間にかちゃんと恋をしていた。

あなたに…。

「あのさぁ、真凛…。」

泰詩の声に私は顔を上げる。

「今日の学祭の閉会式の花火

一緒に見ない?」

泰詩の言葉に胸が跳ね上がった。

泰詩が私の顔を真剣な顔で見つめている。

「嫌…?」

泰詩が少し寂しい顔になる。

「嫌じゃない!!」

思わず、私の言葉に力が入る。

だって…嫌なわけない。

泰詩となら私…嬉しいよ。

「じゃあ、…見る?」

うん…って言ったら

どうなるのかな…?

…"うん"

「…あ、あのね、私…

絵莉ちゃん達と見るって約束したから…。」

現実は…残酷だ。

「そっか…。」

泰詩は少し寂しげに笑っていたけど…

すぐにいつもの優しい表情に戻った。

「でも真凛…

ちゃんと友達できたみたいで

ちょっと安心した…。」

「え…?」

「中学の時の友達と違う高校だったからさ…

本当はちょっと心配してた…。」

「泰詩…。」

泰詩のその優しい言葉が声が眼差しが

胸に響く。

そんな風に思ってくれてたんだぁ…。

「真凛…この前、ごめんなっ。

俺…変なスイッチ入っちゃって…

強引で真凛を困らせたのかなって…。」

そう言う泰詩の瞳は真っ直ぐで嘘がなくて…

今の私には辛かった。

「俺は…

ただこうやって真凛と話したり

笑ったりしているだけでも楽しいから。

話せないのはツライ…。

だから、また笑ってほしい…。

俺は…笑っている真凛を見ていたい。

もう、友達には戻れないけど…

それだけは、ずっと変わらないから。」