誰から電話だ?と思って、おもむろに見てみるとーーー。



『芦名美保』の表示。



蓮の母親からだった。





なんで俺に…。



けど今は九時近い時間だ。

なにか緊急の連絡かもしれない。

いぶかしみながら出てみると、おばさんは慌ただしく話しだした。



『あ、もしもし?
蒼くん?よかったー出てくれて!
お久しぶりですー美保ですっ。急にかけてごめんね!
もー蓮のおバカったら、何度かけても出ないからさー』


「ああ…きっとバタバタしてたから、スマホ部屋に置きっぱなしなんだと思います」


『もう肝心な時にあの子は~。
まぁよかった、蒼くんが出てくれたから!』



おばさんはまだ会社にいるんだろうか。

それにしても、後ろが騒がしい。

ガヤガヤ人の声や、時折アナウンスまで聞こえる…。