突然の大声に、キッチンに駆け寄った。 「なんだよ急に」 「油買うの忘れてた…。 これじゃ揚げ物できないよー…」 「……」 「もう、蒼がスーパーでごちゃごちゃ言って、どうでもいいものまで買わせるからだよっ」 「俺のせいかよ」 蓮はいそいそと薄っぺらいカーディガンを羽織ると、財布を持ってリビングから出て行こうとした。 「ちょ、ちょっと待てよ」 ぱしっと、すかさずその手をつかんだ。 「今から買いに行くのか?」 もう真っ暗で人気も少ない。 女ひとりで出歩く時間じゃないだろ。