「はぁ…。
今日もキレ―だよなぁ」





切なく、

悩ましげに、

溜息まじりにつぶやかれる独り言。





「おい岳緒、パス!」


「……。
…はぁ」


「パスっ!
鈴木にパス回せよ、岳緒っ!」


「……はぁ」


「おい聞こえてんのか!?
なによそ見してんだよ!

…って、
今日も来てんのか?あの美少女二人組?」



と、夢見る岳緒の視線を追って、チームメイトたちはニヤついた。



「お、来てるじゃーん。

まぁたしかに見惚れるよなぁ。
あの二人ほんとレベル高ぇもんな」


「だよな、だよな。
しかも系統が対称なのがよけーに楽しいっていうか?
可愛い系と美人系。

岳緒、おまえどっちに見惚れてんだよ?」


「…美人系。

はぁ、ほんと憧れる…
蓮さん…」