「目が腫れてる。
あれからも、いっぱい泣いたんだろ」





思わず、顔が熱くなる。



じ…自分では全然気づかなかったけど、そんなに腫れてる??



また『泣き虫』とかってバカにするつもりなの??



と身構えたけれど…





「昨日は、悪かった」





思いもよらぬ言葉を言われて、拍子抜けした。



「泣かせるつもりはなかった。
必死だったから…ついカッとなってしまった」



必死…?



あれで?



昨日は、全部の言動に余裕が溢れてて…

別の女の子にやったことあるんじゃないか、って思うくらいで、

どこにも必死そうな感じは無かったけど。



「蓮、俺はさ―――」



けど、言いかけて蒼ははっとしたようにドアを見た。





「蒼くん?
来てるの…」





姿は見えないけど、こっちに向かっているような女の子の声が聞こえてきた。