さっと教師の前に飛び出すと、拳を握った。 ただ積もったもやもやを吐き出したかっただけだった。ほかのことなんて、なにも考えなかった。考えられなかった。 意味のわからない校則も、バカ騒ぎしかしないうるさいやつらも、怒鳴り散らすことしかできない教師も、ぜんぶ。 消えてしまえばいい。 こんなところに閉じ込められたくなんてない。押しつけられて、都合のいいように奪われる自由なんかいらない。どうして偉いのかわからないような大人に指図されたくない。 ぼくは、窓ガラスに拳を叩きつけた。