連れていく?
改めてその言葉を自らに突きつけて、狼狽する。
いや、まさか。
打ち消した。
階段を降りてくる音に、見上げると目が合った。
視線を外して、ドアを離れる。
「お待たせしました」
「いいえ」
答えて、自分が後藤を待たせていることを思い出した。
あ、やば。
でも今、戻るつもりはなかった。
前回どおり、ドアのカギを開けて、廊下の電気をつけ、またドアをあけて廊下の電気をつけて、奥深く入っていく。
BSL4の実験室へ入っていくようだ。
そして最後は碧だけ、またドアをすり抜けてファイルをしまいに姿を消す。

