「兄?」 「兄です。 両親が離婚しているので、名字が違うんです」 口をつぐみ、まじまじと碧の顔を見つめる。 「あ、えっと。 兄は母方についたんですけど、まだ小学生だったので転校するのが嫌で、私は父の方に残ったんです。 でも離婚の原因が父の浮気だったので、私も割合、早くに家を出て父とも疎遠で。 それで葵は・・・兄は心配して母親と3人で住もうって再三言ってくるのですが」 語尾が聞こえなくなった。 「はい?」 「緑川 碧なんて名前、嫌なので」 「・・・ぶっ」 数秒の沈黙後、宗雅は噴出した。