宗雅が何を考えているかわかっているらしく、気まずそうに視線を逃す。


「すいません。
 どこまでいきましたっけ」


碧の声は、この話題に触れて欲しくない雰囲気がありありだった。


へえええー。


「科研」


宗雅が呟くと、資料の数字を指していた碧が指が揺れた。


で、沈黙。


顔を上げると、何を言い出すのかと、びくびくした様子をしている。


無表情だけど。


宗雅はにっこりと笑った。


「科研も教えてもらいたいことがありました」

「なんでしょう」


ものすごい警戒感。