夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)



「でも、ありがとう」


うわっ、破壊力のある笑顔だ。


これ見れたら幸せだよねー、旦那さん。


碧はのほほんと微笑を返した。


ふっと麗華の顔が真剣になる。


「ソウ。
 結構、わがままでしょ」


彼女は黒目がちの目で、心を見透かすようにじっと見つめる。


碧は言葉に詰まった。


彼女の言葉は、碧の奥底に押し込めているものを、巻き上げた。


視線を外すと彼女は抱えていた足の膝に顎を載せた。


ウェーブがかった茶色の髪が、きらりと照明で光った。


なめらかな肌に長い睫の影が落ちる。


「いい奴だけど。
 そこが心配。
 ちやほやされて育ってるから。
 ってか、女、なめてるし!」

「確かに・・・。
なめてるなって思いますけど・・・思いやりがあるので」

「うん、まあ、それ大事だよね」


しばらく沈黙になって、くるりと顔を碧に向けた。