「人の気持ちは、権力でもお金でも、どうしようもないですよ」
「うん。
でも、あいつは巧妙に心理作戦も仕組むから」
あ、なんとなくわかるかも。
碧は思わずひきつった笑いを浮かべた。
「大事にしてくれているのはわかってる。
だけど、不安なんだ。
私の場合、大事にされているのは、愛情じゃないのかもしれないって。
バックグラウンドとかコネとか、それが大事だからだって」
「不安なことは、言ったほうがいいと思います」
まったく人の事、言えないけど。
自分も聞くのをためらっちゃうと思う。
「言って、問い詰めても。
丸め込まれると思う。
真実はいつだって見えないんだ」
麗華はため息をついた。

