夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)



寝ていると思っていた麗華は、ソファーの上であぐらをかいて座っていた。


碧に気付いて、見ていたブラックベリーを置いた。


えへへと照れくさそうに笑う。


「自分からあれほどのことを言っておきながら、連絡が来ないかと思っちゃうなんて、ね。
 来ないって事は、やっぱり、さ」


麗華は口をつぐんだ。


落ち込んでいる横顔に、碧は頭を回転させた。


「ほら、あの、後で来た秘書さん?が、本気の女には高校生並みだって言ってたじゃないですか。
 どうしていいのか、わからないんだと思いますよ。
 電話して出なかったらとか、そっけなくされたらとか、話が余計に悪化してしまうかとか、旦那さん悪い方向に考えてしまっているのかも。
 ご主人、本当に麗華さんの事、大事みたいですから」


麗華の横顔が苦くなった。


「そうなのかな。
 ずっと、私の方が必死なんだけど。
告白したのも私だし。
逆プロポーズだし。
怜士はいつだって、“あなた次第”っていうスタンスなんだ。
尊重はしてくれているんだってわかってる。
自分が動けば、なにもかも叶えられてしまうから」