「サンキュ」
ケビンは微笑した。
「俺たちは、金儲けに全く興味ないけど。
こうしているのは、あんたたち二人が好きだからだ。
人たらしって、あんたたちの事だと思う」
「ありがと。
ケビンがそこまで言ってくれるなら、とりあえず離婚だけは様子を見るよ。
でも、しばらく日本に帰るから。
なんか、やってらんないわ」
「ああ、そうだな、少しいじめてやれ」
ケビンはにやっと笑って、帰って行った。
やっと嵐が過ぎ去った感じに、碧と麗華は顔を見合わせて、なんとなく笑いあった。
ずっと黙っていた宗雅がソファーから立ち上がる。
「おれは、おまえが東京に戻るのは反対だけどね」
「ソウ?」
麗華がその背中に声をかけると、宗雅は振り返らず軽く片手を挙げて、寝室へ入っていった。
碧はその様子に少し首を傾げてから、麗華にお風呂とベッドの用意をして、宗雅の後を追って、寝室に入って横になった。
が、眠れない。
今夜の出来事で目が冴えてしまった。
隣の宗雅は寝息をたてて、気持ちよさそうに眠っているのが、なんだかむかつく。
水を飲もうと思いそっと寝室を出た。

