「あ、えーと、私、シャワーと着替えをしたいので」
危なく流されるところだった。
「ああ、着替えを取りに戻ったの?
おれはてっきり・・・」
「えーと?」
互いに言っている意味がわからず、また微妙な沈黙になった。
「碧さん。
つまり、もしかして、本当にここに帰ってきたの」
といってホテルを指差すのに、あいまいにうなずいた。
「ああ、そう、なんで?
おれ、昨晩、話したよね?」
「でも・・・。
連絡先、教えてもらえなかったし。
内藤さんは自分の時間を大事にするタイプみたいだから、早く帰った方がいいのかなって」
ちょっと恨み節が回った。
しどろもどろになりながら顔色を伺うと、表情を止めていた。

