夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)



色々と深く考えると、浸食されて、ドツボにはまる。


この年になった利点は、切り替えが上手くなることだ。


碧はマンションを出るとスマホの地図を立ち上げた。


昨晩は宗雅について行くがままだったから、どこにいるのか良くわからない。


建物に張り付けてある、ストリートの名前を手掛かりに現在地を確認した。


ホテルの最寄駅に行ける地下鉄の駅へは少し歩く。


タクシーを拾って帰るのが便利だけど・・・。


時間に迫られているわけでは無いから、碧は早朝のすがすがしい空気の中、歩き出した。


開いている店はないが、街並みを見ているだけで楽しい。


今日は、どこに行こうかな。


ロンドンは初めてだから、見に行く場所は多い。


Tateにしようかな。


ターナーを見なくては。


無事に地下鉄でホテルの駅までたどりついて、早くシャワーを浴びようと足を速めた。


「碧!」


こんな所で呼び捨てにされて、一瞬、恐怖を感じる。