さらっと“行こう”と言われた言葉で、宗雅の部屋に連いていったのだ。 意志薄弱、と自分でも呆れてしまう。 こんなんだから、今でもあの事務室で同じような仕事を続けているのだ。 ぐだぐだと考えている中、玄関ドアが閉まると同時に宗雅の腕に囲い込まれて、くちびるが首筋をなぞる。 「碧さん」 耳元でかすれた甘い声でささやかれたら、陥落だ。 「彼女、は?」 でも、これだけは確認しておかないと。 修羅場はやだ。 「彼女?」 宗雅が動きを止めて碧の瞳を覗き込む。 「どの彼女の事?」 碧の表情が固まる。