* 「ここまできて、寿司?」 忘れられない声が背後でした。 碧は恐る恐る振り返る。 ジーパンにシャツというラフな姿をした宗雅が、からかうような微笑を浮かべていた。 「内藤さんだって」 思わず反論する。 「おれはここ在住だし。 旅行、でしょ?」 上から下まで視線でなめられ、思わず顔を赤くする。 「だって・・」 言葉の最後は口の中に消える。 「なに?」 「夜のレストランに一人で入るのは、気が引けるので」 そっけなく告げてショーケースに向き直った。