「内藤さ~ん、頼まれていた資料、できました。
 チェックお願いします。
 その後、コピーします」

「サンキュ」


宗雅は佐野から受け取るとパラパラとめくって、眉が寄った。


自分のマウスを動かして、パソコンをスリープから解く。


「あっと。
 悪い。
 このエクセルのファイル、デスクトップに貼って作業してた。
 共有フォルダーの古いままだ。
 はめなおしてもらえる?」

「えぇ~っ」

「今度、ランチおごる」


宗雅は拝む真似をした。


「どうした、珍しいじゃん。
 調子悪いな」


斜め前のデスクで後藤が不思議そうに見る。


確かに午後からボロボロだ。


ミスはこれだけじゃない。


メールに添付を忘れたり、書類の日付を間違えたり。


どうしようも無いミスばかり。