ほっといて。
30にもなったら、ウブな振りなんてしません、貪欲に楽しむんです!
上掛けをずるずる引きずって玄関にたどりつくと、靴を履き終わった宗雅がドアの前で振り返った。
「じゃあ」
さわやかな笑顔だ。
「二度寝は危険ですから、目覚ましをちゃんとセットしてくださいね」
瞬時、宗雅の笑顔が悪魔のように変わった。
腕の中に抱きしめられ、碧のむき出しの背中からヒップにかけて指を滑らせる。
思わず体がぴくりと反応すると、耳元に宗雅の笑った息がくすぐった。
「なんせ、2時間ぐらいしか寝かせてあげられていないから」
意地悪い笑いを含んだ声。
ふっと体を離し、ドアから出ていた。
殴り損ねた。
ずるずるとまた寝室に戻りながら、ふと足が止まった。

