* 「碧さん」 呼ばれて薄目を開けた。 艶やかな黒い瞳が、きらめいて見つめていた。 「は、い」 宗雅はカラーシャツにスラックスといういつもの職場の姿だった。 背景は見慣れた部屋の風景だ。 あれ、夢? 私、送ってもらって、寝落ちした? 起き上ろうとして、上掛けの感触が違うのに視線を落とす。 「うっ」 裸なのにあわてて落ちていく上掛けを引っ張り上げた。 宗雅がくすくすと笑っている。 「着替えて出社したいんで、帰ります。 玄関の鍵、しめてください」 「あ、はい」 碧は枕元の時計を見た。