うんざりとした口調に碧は、いささか同情の念がわきあがった。
一途に好きなんだろうに。
その一途さは自分が終わってしまった若さなのに、うらやましくなった。
だからそのまま口に出した。
「内藤さんのこと、相当好きなんですね」
宗雅は面食らったような顔をしてから噴出した。
「の、勤務先がね」
碧は返答に困って、そのままみつめたままでいる。
宗雅は碧の困惑がわかって、ただの微笑に変えた。
「今どきの学生らしく、専業主婦が夢みたいで。
思っていたよりも就職活動がうまくいかなくて、就職しないでさっさと専業主婦になってしまおうと考えたらしいですよ」
微笑しているが、口調はとても冷ややかだった。

