夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)



バスルームから出てきた宗雅が目の前に立っている。


「あ、いえ」


持っていたグラスを差し出す。


「ありがとう。
 髪の毛を乾かさないと風邪ひきますよ」


碧はタオルを、ほっかむりのように被ったままだった。


「いつも放置なので」


語尾が弱くなる。


「乾かしてあげましょうか?」


茶目っ気のある口調に、碧は口元で少し笑いを作る。


「スマホ、震えてましたよ」


持ったままだったペットボトルの栓を閉めて、冷蔵庫にしまいながら何気なく言う。