「暗闇の中、水の流れる音がして、何事かと思いましたよ」

「すいません。
 電気をつけるのを不精しました」


直前まで考えていたことが、考えていたことだけに、勢いづいて返答する。


碧は軽く頭を下げると、そそくさと宗雅の横を通り過ぎた。


「あ。
 橘樹さん」


呼ばれたら振り返らざる得ない。


「この間はご馳走様でした」


にっこりとした笑顔。


ご馳走様・・・。


それってどっちのことでしょう?