「結局、内藤さんも出したじゃないですか」
碧は少しむくれる。
いっぱい飲んだからと言って、宗雅もお金を出した。
押し戻そうとしたら、あのにっこりした笑顔で、“ここで揉めたら男の顔がつぶれるんで止めてください”と言われた。
年下の男に丸めこめられたようで、なんだか悔しい。
「橘樹さんの、その顔が見れただけで、価値あるし」
くすくす笑われながら、指で頬をつつかれた。
どういう顔よ。
プンスカしながら歩き出した。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
少し足元がおぼつかないのに、力を入れて普通を装う。
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