夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)



葵が連れて行ってくれたお店で席に着くと、差し出されたメニューを開いて宗雅は口元を緩めた。


店員が下がった後で、目をキラリとさせて碧を見た。


「いい日本酒がそろっていますね」


お店チョイスは成功らしい。


さすが、葵。


「橘樹さんは何にしますか?」

「ビールで」

「は?今の流れで?」


やや眉をひそませる。


「とりあえず・・・ビール?」

「どこのオヤジですか」


遠慮ない物言いに、碧はぐっと言葉を飲み込む。


もうちょっと遠慮のある人だと思ったんだけど。


「この店に来たということは、日本酒が飲めないわけじゃないですよね?
 同じものでいいですか?」


なんだか強引なんですが。


その顔だから許されるってもんですよ。


内心で呟いて、うなずく。