宗雅の胸に頬を寄せた形だ。
へ?いや、これはっ。
碧は離れようと、体に力をいれて反らせようとした。
じたばたしていると、宗雅が碧の耳元に口を寄せた。
「じっとしてろって」
低い声で囁いて、耳元から離れる。
だからその声で耳元で囁かないでほしい。
顔が赤くなるのがわかる。
後ろからは押されなくなったけど、でもこっちも心臓に悪い。
車内アナウンスが宗雅の降りる駅に着くことを告げている。
「あの、ありがとうございました」
真っ赤になっている顔をあげられず、呟くと、返答が帰ってこない。
背中に回された腕に力が入り、さらに密着する。

