夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)



「やっと半分ですね」


宗雅の容赦ない一言に、碧は一瞬言葉に詰まる。


「そう、ですね」


明日は早朝出勤をしよう。


手早く片づけを終えると、いつものように警備室へカギを返却し、足早に駅へ向かう。


そしていつも通り会話は無い。


気まずいから、施錠している時、先に帰ってくれていいのに。


思わず胸の内でぼやく。


それに。


なによりも電車に一緒に乗りたくない。


乗った急行はやっぱり混雑していて、電車の揺れや人に押されて、宗雅の体に触れてしまう。


極力避けようと碧は踏ん張っていた。