「フォルダー6をやります。
資料、ください」
碧は宗雅の言う事に逆らわないほうがいいと、既に学習していたので大人しく渡した。
宗雅は同じサーモンのサンドウィッチを片手に入力を始めている。
いい人。
あ、そうじゃない、勘違いしてはいけない。
私のためじゃなくって、補助金業務改善がこの人の担当だからだ。
碧はほぐれかかった気持ちを引き締めて、ひたすら入力業務に没頭した。
調査項目の一つを入力完了して、パソコンに表示される時間を確認する。
あまり遅くまでお願いしては申し訳ない。
「内藤さん。
今日はこのぐらいにしましょう。
お陰様で明日中には終えられそうです」
書類を整えてクリップで留めると茶箱に入れる。
「その書類、途中まででも大丈夫です。
付箋をつけておいていただければ、その後から入力しますから。
ありがとうございます」
宗雅はしばらく碧の顔を見てから、壁にかかっている時計を見て、書類をまとめた。

