相変わらず見とれる顔だし、2週間ぶりぐらいに会うし、もうちょっとお相手を楽しみたいところだが、そんな余裕はない。
いやいや、私、無視するんでしょう?
でも、私の人生にこれぐらいの楽しみがあっても良くない?
入力しながら思考が飛んでいると、背後でため息が聞こえた。
「まあ、そうかなって思ってました」
なんのことだ。
目を上げると、宗雅が背広の上を脱ぎ、碧の向かい側に座って端末を立ち上げている。
「はい、分担してください」
碧がデスクの上に山と積んでいる書類越しに、手を伸ばした。
残念ながら、それを辞退する余裕は碧になかった。
「お願いします」
一項目分の入力を丸投げする。

