「おれのどこが不器用そうなんだよ」 心外だ。 どちらかというと、なんでもソツなくこなすタイプだと思っている。 「不器用じゃないですか」 水野は静かに含み笑いをした。 むかつくな。 じろりと睨むと、水野はパソコンに戻りながら、お疲れ様の代わりに片手を上げた。 「ソウ!」 廊下から後藤が怒鳴っている。 「今、行きます!」 怒鳴り返して宗雅は事務室を出た。 「おまえも、さっきまではご機嫌かと思うと、今や不機嫌とは、忙しいヤツだな」 後藤があきれた顔をした。