私が、小さく頷くと新は深呼吸を1回した後、私と視線を絡め合わせた。



「華湖の事が好きです。俺と付き合って下さい」



「……水無瀬くんが、好きなので……ごめんなさい」



ペコリ、と丁寧に深く頭を下げた。



「ん。聞いてくれてありがとう」



そう言った新の表情は、どこか切なそうで、でもスッキリしたという表情だった。



「……じゃあ俺、先に行くな」



そう言って、私から背を向け出口へ歩いて行く。



私もね、新に伝えたい事あるんだよ。
でも、なんて言えば良いか分からないの。上手くまとまらないの。



でもね、これだけは言えるよ。



「ありがとう!」



私がそう言うと、新は私の方を振り向き、



「いつでも相談してこいよ。友達として」



口元にきれいな弧を描きながら、そう言ってくれた。