もう嫌だ……。こんな自分……。 ポロポロ、と涙が頬をつたり流れ落ちていく。 その時、ドンッと人にぶつかってしまった。 こんな人混みの中走ったら誰でもぶつかるだろうし、涙で余計に視界が悪くなっていたらぶつかるのも当然だと思う。 「す、すみません……!」 私は、顔を見ずにすぐ謝りその場から逃げようとする。 「Wait!(待て)」 突然聞こえた英語にびっくりして振り返ると、そこにはちょっと怖そうな日本人ではない男の人が居た。