ピンポーン〜♪


私は家の呼び鈴を鳴らし
柳瀬くんが出てくるのを待った

柳瀬くんは一人暮らしらしくて…
家には、柳瀬くんしかいないらしい


柳瀬くん…
出てくれるかな…?


「……はい…」


インターホン越しに男の子の声が聞こえた


「あっ、柳瀬 真冬くん?
私、今日あなたのクラスの担任になった

鳴海 紫乃っていうの

柳瀬くんに、学校に一度でもいいから来て欲しいと思って伺ったの…」

「………帰って…」


柳瀬くんの声は、どこか寂しそうに聞こえ、私は諦めず柳瀬くんに話しかけた


「柳瀬くん!
じゃあ、一度でいいから顔を見せて!

私、柳瀬くんが心配なの…っ!!」


柳瀬くんがどういう子か分からない以上
どう対処すればいいか分からない…

顔を見て、きちんと話して
柳瀬くんを知っていこう!


「帰って…」


ブチッ…


インターホンから音が聞こえず
柳瀬くんが切ったみたいだ