控え目に甘く、想いは直線的

私が頷くとすぐにオレンジジュースを頼んでくれた。それにしても部長は冷たい。


「お待たせしました。オレンジジュースでございます」


私のところにオレンジジュースが入ったグラスが置かれる。赤いさくらんぼが浮かんでいた。


「じゃ、それは俺がもらうね」


大石さんが私のシャンパングラスを取ろうと手を伸ばしたが、先に部長の手が到達してシャンパンが宙に浮く。

大石さんと私が呆気に取られる間もなく、部長は奪ったシャンパンを飲み干した。そんなにシャンパンが好きだったのかな?

だったら、また頼めばいいのに。


「全く素直じゃないんだから」


大石さんがポツリと呟く。

素直じゃない?

誰が?


「やっぱり、兄さんだ。 あれー、人事部みんなおそろい?」


首を捻っていると、涼さんが現れた。涼さんはいつも不意打ちで現れるから心の準備が出来ていない私は毎回体が跳ねるくらい驚いてしまっている。

昨日も終業間際に人事部に現れて、私一人が驚いて、笑われてしまった。


「要さん、こんばんはー」