控え目に甘く、想いは直線的

料理はフレンチのフルコースでおしゃれな前菜から並べられる。

粗相のないようにと、緊張で手が震えそうだ。


使うのは外側からと、当たり前のマナーを確認してフォークとナイフを手にした。


「野々宮さん、ガチガチにならなくていいよ。もっと気楽に食べて。美味しく食べればいいんだから」


「はい。……すいません」


緊張してしまうのはきっと正面でいまだ眉間に皺をを寄せている人のせいだ。


「なんで、謝るんだ?」


「いえ、何でもないです……」


「要さんがそう威嚇するから野々宮さんが困っているんですよ。もっとにこやかにしてくださいよー」


にこやかに?

意地悪く笑った顔は見たことあるけど、にこやかなのは見たことがない。手を動かすのをやめて、部長に目を向けた。

にこやかに笑ってくれるのだろうか?


「そんな期待を込めた目で見られても面白くもないのに笑えないから」


「じゃあ、俺が一発芸でもしましょうか?」


「拓人のは面白くないから、やめとけ」