控え目に甘く、想いは直線的

柊花の顔を見るとやっぱりホッとする。

柊花は荷物を自分の席に置いて、また私の元に来た。そして、楽しそうに話す。


「ねえ、涼さんに会ったんでしょ? 涼さんが言ってたよ。夕美ちゃんがいて、ビックリしたって」


「うん、そうなの。やっと会えたんだけど、私もビックリした」


私がなかなか会えないとぼやいていたから、柊花は、「会えないなら会いに行けばいいじゃないのよ」と言っていた。だけど、自分から行く勇気が出なかった。

会いたいがために、ここの会社を受けたのだけど、いざとなると尻込みしてしまう。


「だから、早くにうちの部に来たら良かったのに。来ればいつでも会えるよって言ったでしょ?」


「でも、用もないのに……」


「ほら、三上さん。始めるから座って」


「あ、はい! すみません!」


柊花は大石さんに呼ばれて、自分の席へ戻る。

大石さんは慌てる柊花を見て、微かに笑ってから今日使用する資料が揃っているか確認をする。

大石さんは柊花のことを気に入っているらしい。