「あの、人事部は何人いるのでしょうか?」
まさか三人ということはないだろうけど、不安になってきた。
「全部で三人だ」
「本当ですか?」
ビックリして思わず立ち上がってしまった。
そのとき、ドアが開いて一人の男性が入ってくる。
「すみません、遅れまして」
「おお、来たな。野々宮さん、紹介するよ。野々宮さんと同じように今日付けてここに配属になった大石拓人(おおいしたくと)」
「野々宮夕美と申します。よろしくお願いします」
「大石です。こちらこそよろしくお願いします」
大石さんは黒い縁の眼鏡をかけていて、眼鏡の中にある目は丸く、明るい印象を受けた。
「午後から新人研修の説明があるから、その打ち合わせをする。二人とも隣に来て」
大石さんのデスクの後ろのほうにドアがあり、そのドアから隣へ行く。
そこには応接セットが置かれていた。
「打ち合わせはいつもここでやるから。二人、そっちに座って」


