控え目に甘く、想いは直線的

「終わったな。じゃ、付いてきて」


「はい」


人事部長の後を追い、廊下に出て、エレベーターへと歩く。

これから挨拶だ。噛まないように気をつけよう。


大会議室のあった18階から下降したエレベーターは、10階で止まる。ドアが開くと部長が降りるのでまた後を追う。

人事部と書かれたプレートがあるドアを開けると部長がドアを持ったままで立つ。


「どうぞ」


「あ、ありがとうございます」


頭を下げて先に足を踏み入れた。紳士的な一面が涼さんに似ている感じがして一瞬心臓が高鳴った。


「そこが野々宮さんの机ね。とりあえず座っていて」


「はい」


デスクの上にはノートパソコンと電話が置かれていた。足元にカバンを置いて座り、部長の動きを眺める。

着ていた上着を脱いで、後ろにあるハンガーラックにかけて、ほんの少しネクタイを緩めてから自分のパソコンを立ち上げていた。

私もパソコンの電源入れたほうがいいのかな。

しかし、ここのフロアというか部屋は狭い。それに、デスクが三つしかない。

部長のと私のとあと一つ。