控え目に甘く、想いは直線的

相変わらす柊花は余裕の顔を見せる。柊花は合格出来て、私は出来ないかもしれない。

ミスはしていないと思うけど、印象に残っていないかもしれない。最終面接は真面目に答えるだけではいけないと、大学でも指導されていた。

だけど、真面目に答えただけで、面白味はなにもない。面白さがあっても困るけど、手応えは感じられなかった。

涼さんに会いたいがために最終面接まで頑張ってきたけど、もう会うことは奇跡が起きない限り無理かもしれない。

ミルクを注いだアイスコーヒーをかき混ぜる私のテンションは急激に下降していく。


「あれ? 君、たしか……」


「えっ? あ! き、奇跡が……」


「えっ、奇跡? っていうか、ケーキの子だよね?」


奇跡が起きた!

下の向いていた私は顔をあげ、真っ直ぐと私たちのテーブルの横に立つ涼さんを見る。

本当に会えるなんて!


「はい! その節は本当にありがとうございました」


立ち上がって、頭を下げる。

頭上から微かに笑う声が聞こえ、頭に手が置かれる。