控え目に甘く、想いは直線的

涼さんに失恋したときの私と今の私は違う。心から幸せになって欲しいと願った。


夜、心の準備が出来たのか出来ていないのか分からないまま、買い物を終わらせて、寿司店に行った。回転しない寿司店に入ったのは、子供のときに一度行ってくらいだった。

カウンターに座ると好きなネタを頼むように言われ、メニュー表のない店で何を頼んでいいのか戸惑い、無難だと思えるマグロをお願いした。

私が頼んだあとに、要さんが「大トロにして」と言ったから、目の前には大トロが置かれる。ものすごく美味しそうだけど、ものすごく高そう。

恐る恐る口に入れた。

とろけるという表現がピッタリで、口の中に程よい脂身の美味しさが広がった。


「美味しい! こんな美味しいマグロ、初めてです」


「うん、うまいな」


要さんは食べ慣れているのか感動が薄い。その後、他のネタもいくつか食べたけど、ネタが大きいこともあり、お腹が膨れた。

いけない!

こんなぽっこりしたお腹を見られたくない。