だけど、どんなに女らしく見せてもどんなに色気を振りまいてもカズさんは柊花を妹のようにしか見ない。

ずっと想っている柊花が切なく見えるけど、柊花自身はどんな関係でも繋がっているのが嬉しいという。


「あ、返事来た!」


カズさんからの早い返信に柊花は顔の筋肉を緩ませた。嬉しそうに笑う柊花は本当にかわいい。カズさんはどうして柊花の気持ちを受け入れてあげないのだろう。

恋愛って難しいな。


「柴田さんね、あのコロアールのグループ会社のコロアールマーケティングで働いているんだって。コロアールは柴田さんの伯父さんが経営しているらしいよ」


「えっ? コロアールって、あのコロアール?」


「そうそう」


コロアールとは誰もが知る大手の文具メーカーで私がよく使っているシャーペンもそこのメーカーのだった。

カズさん経由の柊花からの情報によると涼さんが勤めているマーケティング会社は涼さんのお父さんが社長で、涼さんは販売戦略部にいるらしい。

涼さんと同じ会社で働けたら、楽しいだろうな。


「私、そこの会社受けようかな。受かるかは分からないけど、マーケティングも勉強したし」