控え目に甘く、想いは直線的

嬉しさを体で表した大石さんは両手を広げて私に抱きついてきた。突然のことに驚いたけど……


「離れろ。夕美に触るな」


要さんが大石さんの襟を掴んで、ぐいっと引っ張る。


「うっ、苦しいですよ。は、離れますから、離して」


本当に苦しそうで涙目になっている大石さんがかわいそうだった。

引っ張られて崩れた襟元を戻しながら、大石さんが聞く。


「二人はどんな関係ですか?」


どんな関係?

私も疑問に感じていたことだったから、大石さんと共に要さんの答えはなんだろうと期待の眼差しで待った。


「どんな関係? 別に普通に同じ会社で働く人だよ」


「そんな答えで納得出来るわけないでしょ? ね、野々宮さん」


大石さんに同意を求められて、私は頷いた。確かに納得出来ない。キスはしたけれども、好きだとか付き合うとかは何も言われていない。

こういう私は好きだと抽象的に言われたけど、それでは恋愛なのかわからない。こういうのが恋愛だ! とはっきり断言出来るもが何かは分からないけど、どう思っているのかという言葉は欲しい。