控え目に甘く、想いは直線的

私は書類に目を通している要さんをチラリと見てから、産業医へのメールを作成した。メールを作成するとき、いつも言葉遣いが変ではないか、失礼ではないかと不安になる。

送信前に大石さんに見てもらうことが多いけど、今はいない。戻ってきてから見てもらおうと保存する。



翌日の夜。

大石さん念願の誕生日会がたったの三人だけど、カジュアルな雰囲気のイタリアンレストランで開催された。


「はいはい、おめでとう」


「ちょっと待って! そんな投げやりに言わないで、心を込めてバースディソングを歌ってくださいよ」


「めんどくさいな。じゃあ、野々宮。はい、どうぞ」


「ええっ! えっと、ハッピバースディ、ツゥー、ユー♪…」


一人で歌うのは恥ずかしい。要さんは手拍子をしているだけだし、大石さんは目を輝かせている。なんで私が一人で歌わなくてはいけないの?

他のお客さんの視線が痛くて、泣きたい気分になったが、満面な笑顔になっている大石さんのために最後まで歌いきった。


「あー、もう最高! 野々宮さん、ありがとー!」


「えっ、わっ!」