「あの、部長。ストレスチェックのことでご相談したいことがあるのですが、いいですか?」


「ん? ああ、向こうで聞くよ」


「ごゆっくりー」と手をひらひらさせる大石さんを要さんは睨んで、隣の応接室に行く。


私は向かい合って座り、持っていた資料を部長のほうに向けた。


「産業医の方からストレスチェックの項目表が二つ届いて、どちらか一つを選んでくださいと言われました。どちらにも入っているものもあるのですが、どちらがいいかと悩んでいます」


「ふうん。拓人には聞いた?」


「はい。同じように聞きましたが、部長に聞いてみてと言われまして」


私の業務は要さんからの指示もあるけど、大石さんからが多い。だから、相談も大石さんにするようしていて、このストレスチェックについても昨日の午後に大石さんに話した。

すぐに判断にしてくれると思ったが、なぜか要さんに聞いてみてと言われた。でも、要さんは昨日は昼過ぎから外出していて、聞くことが出来なくて今に至っている。